当スタジオの指導する、バーベル及びダンベルを使ったフリーウェイトトレーニングとカロリーコントロールを中心とした食事管理方法の概略を説明します。なお、わかりやすさを優先して一部簡略化した説明をしているので、詳細は無料カウンセリング等でお聞き下さい。

理論/THEORY


エネルギー保存の法則。
体重変動はカロリーが全て。

体重変動に焦点を当てた場合、摂取カロリーと消費カロリーの大小で全てが決まります。摂取カロリー>消費カロリーであれば、その余剰分だけ体重は増加しますし、摂取カロリー<消費カロリーであれば、必ずその不足分だけ体重は減少します。これは、エネルギー保存の法則という物理の大原則ですから、必ず成立するものです。 したがって、運動により消費エネルギーを増やした場合、その結果として、消費エネルギー>摂取エネルギーとなれば体重は減りますが、どんな運動をしても消費カロリー<摂取カロリーのままであれば体重は減りません。また、食事制限により、摂取カロリーを減らして、摂取カロリー<消費カロリーの状態にすれば運動などしなくても体重は減ります。

時々、運動も食事制限もしているのに体重が減らないと言う方がいますが、その多くは消費カロリーの計算が間違っているだけです。体重計の示す基礎代謝はあくまで参考値ですし、有酸素運動においては、運動に慣れるにしたがって体が適応し、同じ運動による消費カロリーが減少します(体重~kgだとウォーキング1時間~kcalなんていうのは完全に目安にすぎません)。また、筋肉量を減らすようなダイエットをしていればダイエットが進むにつれ基礎代謝もどんどん減少していくことになります。

筋肉を減らしても意味が無い。
体重変動の中身が重要。

しかし、ムキムキになりたい人にせよ、痩せたい人にせよ、単に体重が増減すれば良いわけではないと思います。ムキムキになりたい人にとって増やしたいのは筋肉であり、体重が増加した分だけ脂肪が増えてぶくぶくしても意味がありません。また、痩せたい人にとっても、実現したいのは締った体であり、脂肪と同時に筋肉も減少し、ふくよかなまま体が一回り小さくなった状態を実現したいわけでは無いと思います。 つまり、目標となるのは、脂肪をできる限り増やさずに筋肉を増やすことや、筋肉をできる限り減らさずに脂肪を減らすことになります。特に、人間の消費エネルギーの大部分は筋肉の代謝ですから、筋肉が減れば減るほど消費エネルギー(基礎代謝)は落ちて、リバウンドしやすくなります。 このように、体重変動そのものよりも、変動の中身が重要なポイントとなります。そして、その中身をコントロールする手段として適切なトレーニングと適切な食事管理が求められるわけです。


ここで、ムキムキになりたい人がウェイトトレーニングを行うのは何となく理解できると思います。筋トレをした分だけ筋肉が増えるというのは理解しやすいからです。では、痩せたい人がウェイトトレーニングをする理由は何でしょうか。これを理解するためには、体の仕組みをもう少し厳密に考えてみる必要があります。

痩せるためになぜ筋トレをするのか。
ウェイトトレーニングの必要性 。

体重増減はカロリー収支が全てです。摂取エネルギーと消費エネルギーの大小で決まります。しかし、ここで重要なポイントがあります。それは、人間の体には、コンビニのレジの締め作業のような仕組みはありません。つまり、一日の終わりに、今日の摂取カロリーは1000kcalで消費カロリーが1500kcalだから、500kcalだけ脂肪を燃やそう、筋肉を分解しようなどという精算の仕組みがあるわけではありません。摂取したエネルギーが体に蓄積されるプロセスと、エネルギーが消費されるプロセスは毎分毎秒リアルタイムでおきています。図にすると以下のようになります。

ここで、ウェイトトレーニングは、摂取エネルギーの使われ方に作用します。ウェイトトレーニングで筋肉を損傷させると、体は壊れた筋肉を回復させようとするだけで無く、さらに刺激に対応してより強い体に成長しようとします(筋肉の合成が進む)。つまり、ウェイトトレーニングの後は、トレーニングしない場合と比べて、筋肉が積極的にエネルギーを摂取するようになります。このような、筋肉の回復・成長が進み、筋肉が積極的に栄養を吸収する状態をアナボリック状態といいます。 このようなアナボリック状態になると、通常状態に比べて、食事から摂取したエネルギーは筋肉に優先的にまわることになります(もちろん割合が変わるだけで、脂肪の増加をゼロにすることはできません)。それだけでなく、筋肉の回復成長はそれ自体がエネルギーを消費するプロセスですから、トレーニング後は何もしていなくても、エネルギー消費量は増えることとなります。

その結果、脂肪を増やさずに筋肉を増やす、筋肉を減らさずに脂肪を減らすという目標に近づけることになります。 この点、有酸素運動では、体は疲れますが筋肉が損傷するほどではないので、筋肉の回復成長は起こらず、アナボリック状態にはなりません。エネルギー摂取の過程に変更は無く、トレーニング中にエネルギーが消費されるだけとなります。つまり、単にカロリー制限をした場合と同様に、脂肪と同時に筋肉も減っていきます(その割合は個人の遺伝的要素及びその時点での体脂肪等に依存します)。したがって、有酸素運動のみによるダイエットには、ダイエットが進めば進むほど筋肉量の減少により基礎代謝が落ち、リバウンドしやすい体になります。そして、いずれダイエットは停滞し、さらに摂取カロリーを減らすか、運動量を増やす必要に迫られます。さらにその頃には、低カロリーになれた体は完全にサバイバルモードとなって脂肪をためやすく筋肉を分解しやすい体質に変わると共に、有酸素運動になれてしまい同じ運動をしても始めた頃のような消費カロリーにならないという問題も生じているはずです。

話はそんなに簡単ではない。
食事管理の必要性と重要性。

では、有酸素運動の代わりにウェイトトレーニングを行えばそれだけで良いのかというと、話はそう単純ではありません。私達の体は私達が食べたもので出来ています。したがって、目標とする体を構成する栄養素を摂取しない、もしくは、必要以上の栄養素を摂取すれば、いくらトレーニングをしても目標とする体に近づくことはありません。つまり、食事管理なくしてボディメイクは成立しません。

まず、エネルギー消費において、グリコーゲンの不足分は、脂肪を分解してエネルギーにするのが通常ですが、筋肉も分解されます。この割合は個人の遺伝的要素やその時点の体脂肪率によって決まるものであり、基本的に食事やトレーニングによって変えることは出来ません。しかし、消費カロリーに対して摂取カロリーが大幅に少なく、常にエネルギーが不足しているような状態がおきると、体はサバイバルモードに突入し、脂肪をため込むようになります(体は筋肉の少なく脂肪の多い低燃費の体を目指すことになる)。すなわち、脂肪を極力温存して、筋肉を分解しようし始めます。そうなれば当然、ウェイトトレーニングによって損傷した筋肉の回復も停滞・停止することになります。 したがって、痩せたいからと言って、カロリーを減らしすぎると、ウェイトトレーニングの意味が無くなるどころか、筋肉がどんどん減少していき、体重は減少するものの体脂肪率が高くリバウンドしやすい、最悪の状態となってしまいます。

カロリーはただ減らせば良いのではなく、適切なカロリーを取る必要があります。逆説的ですが、ダイエット目的でウェイトトレーニングを開始した場合、同時にカロリー摂取を大幅に減らしてはいけないというのが大原則であり、一番犯しやすい誤ちでもあります。もっとも、いくらアナボリック状態といえ、エネルギーを摂取すればするだけ筋肉が増えるという仕組みはありません。余分なエネルギーは脂肪となるだけですから、あくまで必要な量のみを摂取する必要があります。特にダイエット目的の方は、カロリーは取り過ぎても取らなさ過ぎても悪い方向に行きますから、厳格な管理が必要です。

また、ウェイトトレーニングにより、アナボリック状態になったとしても、損傷した筋肉が必要とするのは主に炭水化物とタンパク質であり、脂肪ではありません。摂取した脂肪のほとんどは筋肉には行かず、体脂肪になるだけです。もっとも、脂肪と筋肉が複雑に絡み合って体の組織を作っているのであって、ある種類の脂肪の摂取量が少なすぎると筋肉の回復や成長に影響を与えることが分かっており、脂肪の摂取量も無節操にゼロに向かって減らせば良いわけではありません。つまり、摂取する脂肪の内容やその摂取量をコントロールする必要があります。

さらに、筋肉はタンパク質で出来ており、損傷した筋肉を再合成するための材料となるのはタンパク質ですから、適切な量のタンパク質を摂取する必要があります。必要量のタンパク質を摂取しなければウェイトトレーニングは全て水の泡となります。筋肉が損傷して終わりとなってしまいます。しかし、タンパク質に関しても、摂取すればするだけ筋肉になるという仕組みはありません。取り過ぎは体脂肪となるだけですから、筋肉の回復・成長に必要な分だけ摂取する必要があります。

このように、カロリーを抑えつつも必要分は摂取する必要がありますし、そのカロリーを、炭水化物、タンパク質、脂肪のどれからどれだけ取るかという点も重要であり、食事管理が必要となります。

実践/PRACTICE


強度が全て。
ウェイトトレーニングの大原則。

理論編で説明したように、必要なのは、アナボリック状態を作り出すトレーニングです。そしてこれは強度が全てです。つまり、軽い運動をいくらしたところで、ぐっすり寝れば疲れが取れて終わるだけで、体が刺激に反応してより強い体になろうとはしません。これは、私たちが日常生活の中で毎日歩いているのにもかかわらず、日々脚が太くなっていくわけではないことからも明らかです。

確かに、1kgのダンベルでもずっと持ち上げていればいつかは疲れて限界が来ます。しかし、これは筋肉が損傷したことによって維持できなくなったのではなく、単にスタミナ(持久力)が尽きただけです。そして、筋肉が損傷していない以上、その後の修復及び成長(筋肉の合成)プロセスが進行しないのは当然です。筋肉を損傷させ、アナボリック状態を作り出すためには、ある程度きついと思える重量でトレーニングをすることが必要なことが分かっています。何とか10回出来るくらいの重量で行うのが基本とされています。ウェイトを半分にすると効果は半分ではなくゼロになります。筋肉が損傷しないのであれば、それは単に質の悪い有酸素運動でしかなく、同じ時間歩いている方が効果は高くなります。

この点、バーベルやダンベルであれば、各自の身体能力に応じて重量を調整できるので優れているのです。自宅での腕立て伏せやスクワットでは、自分の体重が負荷となり、これを調整することが出来ません。よく健康情報サイトに、「バーベルを使うようなキツイ運動は必要ありません。自宅で行う腕立て伏せや腹筋運動で十分効果があります。」などという記載があったりしますが、これはとんでもない誤りです。

バーベルを使ったトレーニングと自分の体重を使った自重トレーニングには、運動力学的には何の違いもありません。単に、重量を調節できる分だけバーベルを使った方が効率的なだけです。エクササイズによっては自分の体重の方がよほど重くキツイ場合があります(懸垂がよい例)。特に女性初心者は、腕立て伏せや腹筋でいきなり40kg以上ある自分の体重を持ち上げる必要なんてありません。その人の体力に応じて5kgとか10kgくらいのバーベルを持ち上げるところから始めた方がよほど効率が良く、また、怪我するおそれも圧倒的に少なくいのです(当スタジオでは初心者用に2kgからバーベルを用意しています)。

このように、アナボリック状態を作り出すためには、各人の身体能力に応じた最適な強度でのトレーニングメニューを作成することが重要です。もっともどんな動作にもある程度は慣れが必要であり、初心者が理論的に適切な強度のウェイト(結構重い)をいきなり使うと間違いなくフォームを崩しますから、10kg×10回を3セット(重量はあくまで例示)といった無理のない軽い重量から始めて、12.5kg×10回を3セット、15kg×10回を3セットと、正しいフォームを徹底し、回数を重ねながら少しずつ重量を上げていくことが実践方法としては重要です。


立ちはだかる大きな誤解。
エクササイズ選択の基本。

(1)フリーウェイトかマシンか。

強度の高いトレーニングをするにしても、どのようなエクサイサイズをすれば良いのでしょうか。結論として、初心者はフリーウェイト(バーベルとダンベル)、特にバーベルエクササイズをメインにすべきです。

フィットネスジムに行くと、多くの方がマシントレーニングに汗を流しています。しかし、“初心者にとってマシントレーニングは効果が低い”という事実は、意外なほど知られていません。マシン、特に外国製のマシンは存在感もあり、デザインもかっこいいため、なんとなく効果がありそうに思えてしまうことから、マシンは効果があるという誤解は広く蔓延しています。さらに、一部有識者達の「マシンとフリーウェイト、どちらが良いではなく、それぞれの長所と短所を理解することが重要である」といった、優等生過ぎる正論が混乱に拍車をかけています。

一つ一つ見ていけば、良いマシンもあり、その一方で、初心者にはお勧めできないフリーウェイトエクサイサイズもあり、また、各人のレベルによっても結論は変わってきますから、上記見解は全くもって正しいです。しかし、あくまで一般論としては、マシントレーニングのメリットは、放っておいても怪我する心配がない、トレーナーの手間がかからない、トレーナーの教育コストが低いといった点であり、大量の会員を少数のトレーナーでさばくジム経営の観点からは高い効率性を有しますが、ボディメイクの観点からは効率性は低くなります。ゴールドジムのようなこだわっているジムでは、様々なメーカーから選りすぐりのマシンが設置されていますが、一つのメーカーで全部のマシンを統一しているようなジムは、インテリアや安全性のことしか考えていないと言っても過言ではありません。

では、なぜマシントレーニングは良くないのでしょうか。これは、床に置いてある重い箱を持ち上げる動作を想像してみればすぐに分かります。持ち上げると、確かに箱はおおむね垂直線上に動くでしょうが、実際には、数学的にまっすぐな直線軌道を描くわけではありません。微妙に揺れ動きながら、カーブを描きます。そして、このカーブは人によって異なります。人ごとに、腕や脚の長さ、各筋肉の強さ、バランス等は異なります。軽いものはどの方向にも持ち上げられますが、重いものをよっこらせと頑張って持ち上げるときの軌道は人それぞれです。したがって、平均的な体格に基づいて設計されたマシンの軌道に沿って動かすより、どこにも固定されていないバーベルやダンベルを動かす方が、その人の体型・骨格にあった動作が出来るのです。大事なのは椅子の高さや、ハンドルを持つ手幅ではなく、ウェイトが描く軌道の微妙なカーブです。マシントレーニングをしたことがある人なら誰もがある程度重いウェイトを動かしているときに違和感を感じたことがあるはずです。その違和感は正しいのです。平均的な体格(特に外国製)に合わせた動きは、ほぼ全員にとって不自然であるばかりか、重い重量を用いた場合にはかえって怪我する危険性が高いという専門家もいます。初心者は、自分にとっての自然な動きにより、狙った筋肉に効かせることを習得すべなのきです。

(2)本当のターゲットは筋肉ではなく神経。

また、アナボリック状態を作り出すという点からも、フリーウェイトの方が優れていると考えられます。人間の体は一つのシステムです。確かに、骨や筋肉の一つ一つに名前をつけて解剖学的にバラバラにしていくことは可能です。しかし、体は、骨という支柱と筋肉という伸び縮みするゴムのようなものの寄せ集めではありません。それらを統括する神経があるからです。

二足歩行ロボットを作るのが難しいのも、その神経系を再現することが出来ないからです。現代の科学技術では骨や筋肉とおなじような”機能”のものを作って人間の形を再現することは簡単です。しかし、歩く、押す、引く、持ち上げる、と言った単純な動作ですら、無数の筋肉が関与して成り立っており、一つ一つの筋肉をバラバラに動かしたのでは到底再現できません。これらの動きを統括し、絶妙なバランスをコントロールしているものこそ神経系です。この人体の神秘とも言える複雑怪奇な神経系を再現できないからこそ、現代の科学技術の粋を結集してもなんとか走れる程度のロボットしか作れないわけです。

アナボリック状態を作り出すのも、この神経系に刺激を与える必要があります。神経系が刺激を受けるからこそ、体を成長させようとする信号が脳から出るのです。マシンに座って、これは肩のインナーマッスルのトレーニング、これは脚の裏側のトレーニング、などと順番に鍛えていくのはあまりよいことではありません。一見すると筋肉を分解して鍛えるのが科学的であるかのように見えますが、そのような、特定の筋肉だけ動かす動作など人間の日常的な動きにはないからです。人間の動きを解剖学的に見てみると、実際には単純な動作の裏に無数の筋肉が絶妙なバランスで関与しています。椅子に座って体幹をリラックスして膝を伸ばしたり、肩と肘の位置を固定して手を内旋する動き、そんな動きが日常生活のどこにあるのでしょうか。本来の動きにない動作をいくらやったところで、確かに筋肉は疲労するかも知れませんが、神経系への刺激と言う観点からは非効率的です。パーツパーツを鍛えるといつのまにか統括する神経も成長して複合的な動きも向上するのでしょうか。そんな都合の良いことはおきません。自分の体を成長させたいのであれば(体をアナボリック状態に持って行きたいのであれば)、最初から神経系にそった自然な動きをするべきなのです。そして、その神経系こそ、人によって違うのです。手や足の長さ、運動経験や動きの癖から生じる各筋肉の強さやそのバランスはその人固有のものであり、その固有の神経系を、一定以上の強度のウェイトを使い、ウェイトを少しずつ重くしていって刺激を与え成長させることが何よりも大切です。

ボディビルダーのように不自然さにこだわらずに全身の筋肉をとにかく発達させなくてはいけないのであれば、例えば遺伝的に腕が細い人は腕だけ集中して鍛える必要があるでしょう。しかし、スポーツアスリートのような、その人なりの均整の取れた美しい体を目指すには、引く、押す、持ち上げるといった基本動作で、その人固有の神経系に刺激を与えて、体の自然な成長を引き出す必要があります。本来は一つのシステムである体を分解して上から順にパーツパーツを鍛えていって全身を鍛えるのと、体全体を使う基本動作で体幹を中心とした無数の筋肉に自然な刺激を与えるのは全然違います。とくに、ダイエット目的のような代謝の活発化が目的であれば、その人固有の神経系に刺激を与えて、なまった体をたたき起こすのが最優先です。ある程度体が慣れてきて初めて、理想の体を目指して、特定部位のトレーニングに強弱をつけていくべきです。

(3)初心者こそ、女性こそ、バーベルを。

また、バーベルかダンベルかという問題に関しては、初心者はバーベルを使うべきと考えられます(バーベルがダンベルより優れていると主張しているわけではない)。ここでも世間には大きな誤解があり、女性にバーベルトレーニングはキツすぎる、無理だなどといわれる事があります。しかし、ダンベルは軽くてバーベルはキツイという考え自体がそもそも間違いです。単に多くのジムに置いてあるバーベル(プレートなしで20kgのものを置いているところが多い)が重いだけであり、軽いバーベルを使えばよいのです(当スタジオでは初心者用に2kgからバーベルを用意しています)。キツイかどうかは重量で決まるのであって、バーベルだからキツイのではなく、女性にとって20kgが重すぎるだけです。

なぜ、バーベルの方が良いかですが、この点に関しては、重い2つのダンベルを片手ずつ持って頭の上に持ち上げる動作を想像してみて下さい。おそらく両手(特に利き手じゃない方)がふらふらしてしまうはずです。これがバーベルだと、両手が一本の棒でつながるために、利き手が弱い方の手をかばってバランスをとることが出来るため、ダンベルほどふらふらせずに済みます(片手に5kgずつ合計10kgダンベルを持ち上げられる人は、合計の1.5倍の15kgのバーベルを持ち上げることが通常可能です)。ダンベルはバランスを取るのが大変なため、しばらく持っていると腕のインナーマッスルが先にやられて、持ち上げるどころではなくなります。しかし、バーベルであれば、脚で踏ん張り、背中と腹筋に力を入れて(いわゆる重量挙げのポーズ)、バランスをとることにそれほど労力をとられることなく、支えることが出来るため、体を一つにしてより重いものを持ち上げ、体幹全体を鍛える事が出来るのです。

ダンベルはバランスをとる必要があるからインナーマッスルに刺激を与えることが出来るといわれ、確かにその通りなのですが、初心者がまず鍛えなくてはいけないのはインナーマッスルではなく大筋群です。どんなウェイトトレーニングも一部を除いてウェイトは腕で持ちます。ダンベルトレーニングを初心者が行うと、バランスに気がとられ、体幹に十分な刺激が行く前に腕が疲れてしまって良くないのです。初心者はまず、体幹部を鍛える種目でアナボリック状態を作り出し、なまった体をたたき起こして代謝の活発な体にかえることが先決です。その後で、特定部位のシェイプを強調するためやエクササイズに変化をつけるために自由度の高いダンベルを使うべきなのです。

女性からは、重いバーベルなんて使ってトレーニングしたら、筋肉がついてムキムキなってしまうという声が聞こえそうですが、男性ホルモンが少ない(男性の10分の1から20分の1)女性がムキムキになることは、気の遠くなるようなハードなトレーニングを数年間にわたって行わない限りあり得ません。また、そもそもカロリー制限をしている状況では、体が大きくなることはあり得ません。初心者がダンベルを使ってトレーニングをして、その日は腕が筋肉痛になったり、腕が張ったりするけど体全体の代謝には何の影響もないという事態の方が可能性としては遙かに大きいでしょう。

以上長くなりましたが、バーベルを使って大筋群種目を行うのがウェイトトレーニング初心者にとって一番重要であると当スタジオは考えています。


何を、いつ、どのくらい食べるのか。
スモールミールの重要性。

(1)目的に応じて最適な摂取カロリーを決定

ムキムキなりたいからと言って摂取カロリーを増やしすぎても脂肪が増えるだけです。また、ダイエットしたいからといって減らしすぎても体がサバイバルモードになっては、脂肪は減りません。いずれにせよ目的に応じて最適な、多すぎず少なすぎずの摂取カロリーを決定することが重要です。

ダイエットする人がここで絶対に知っておかなければならないポイントとして、人間の体にカロリー計算機は無いということがあります。体は、その日の摂取カロリーを計算して、「最近は平均で1000kcalしか摂取していない、よし、サバイバルモードになろう」などと考えてサバイバルモードになるわけではありません。体のモード変化を起こすトリガーも変化です。つまり、体は「何か最近カロリー摂取量が少ないな」といった変化を感じてリアクションをするのです。したがって、日頃から暴飲暴食気味でオーバーカロリーの生活に体が慣れてしまっていて、変更後の摂取カロリーが大幅減になる場合には、たとえ変更後のカロリーが体組成から計算した適正値だとしても体はサバイバルモードに突入します。

劇的な変化に対して体がするのは”守り”であって、成長という攻めの戦略は採りません。有史以来数千年の間、飢餓と戦ってきた人間にとって、「守り」とは、脂肪の多く筋肉の少ない、低燃費で長く生きられる体(サバイバルモード)です。筋肉が落ちやすく、脂肪をためやすいサバイバルモードになってしまっては、トレーニングの効果は激減してしまいますから、カロリー摂取量が大幅に減らないように、現状を十分に分析してから、摂取カロリーを計算することが不可欠です。特に、カロリーを減らすときには徐々に減らして、体が「エネルギーが少し足りないな。脂肪を燃やして補おう。」と考える状態を継続することが大事です。「エネルギー摂取が大幅に減った(エネルギー消費が大幅に増えた)、異常事態だ。」と体が判断してしまうことだけは避けなくてはなりません。

また、ムキムキになりたい男性にとっては、この摂取カロリーの決定がボディメイクの最難関です。はっきり言って正解のない世界であり、目安になる平均値はあるものの、月に1kgくらいの健康的な増量を実現できる自分だけのカロリー量を何とか見つけ出さなくてはいけません。ここは試行錯誤するしかありません。体重を増やすためには沢山食べなくてはいけないと考えて無計画に食べることだけは絶対に避けなくてはいけません。

(2)炭水化物、タンパク質、脂肪の摂取量の決定

摂取カロリーを前提に必要なタンパク質量を決定します。ウェイトトレーニングをして筋肉を損傷し、筋肉の回復及び成長を促す以上、材料となるタンパク質は必要量を絶対に摂取しなくてはいけません。したがって摂取タンパク質量の決定が最重要です。さらに、生活環境に応じて脂肪をどこまでコントロールできるかを考えて、脂肪及び炭水化物の摂取量を決定する必要があります。仕事上外食が多い人には、実現可能である事が一番重要ですから、脂肪の摂取量をどこまでコントロールできるかは非常に重要です。目標を厳しくしすぎて実現不可能となり、脂肪のオーバー摂取が続き、目標カロリーオ-バーが継続するのだけは避ける必要があります。

(3)摂取方法の決定

生活環境に応じて、サプリメントの利用も含め、何をどのタイミングで摂取するかを決定する必要があります。一番重要なのは、1日3回の食事を5回~7回に増やすことです(1回あたりの量を減らします)。アナボリック状態にある筋肉といえども、一度に吸収できる量は決まっており、余剰分は脂肪になるだけです。どんなにトータルカロリーをコントロールしても、一度の食事で食べ過ぎた分はすべて脂肪となります。その一方で、朝昼夜の三度だけ筋肉は回復するのでは無く、トレーニング後48時間から72時間程度は常に回復状態にあるので、必要な量をこまめに補給し続ける事が、摂取エネルギーをできる限り筋肉送る上で重要です(これが食事管理の中で一番肝となるもの)。 もっとも、弁当を複数用意して1日6回も健康的な食事をする事は社会人には困難な場合も多いですから、その場合は、簡易な食事としてプロテインパウダーの利用を検討する等実現可能な計画を立てる必要があります。

コンセプト 料金 問い合わせ アクセス 無料カウンセリングブログ スタジオ住所